壁倍率とは?

耐力壁の種類と特性について

【耐力壁とは?】

耐力壁とは、地震や台風などの水平力および建物の自重、
家具や人の重量、屋根にかかる積雪重量などによる
鉛直力に抵抗する壁です。
耐力壁を構成する材は、柱・横架材の他に
「筋かい」「構造用合板」「石膏ボード」などがあり、
耐力の強さ(壁倍率)が異なります。

【耐力壁の種類】

耐力壁の種類としては、
「筋かい」「構造用合板」が一般的です。
筋かいは、従来から多くの建築物で使用される工法で
広く普及しています。45×90の断面寸法の筋かいでは、
片筋かいで、壁倍率2.0倍、
両筋かいで、壁倍率4.0倍と規定され、筋かいの端部の
金物による接合も、平成12年告示1460号に細かく規定が
なされています。
特徴としては、材料自体が安価な事はありますが、
施工に時間を要すること、大きな荷重により
変形しやすい「線」の構造のため、
局所的に荷重が加わりやすい構造形式である事も
大きな特徴です。
また、住宅の断熱性能を考える上では
熱橋部(断熱が部分的に弱くなり熱を通しやすい場所)
多くなるため、断熱の計算上、非常に不利になり、
外貼り断熱等の対策も必要になります。
構造用合板は、筋かいに比べると、
材料が薄く耐力が上回るために、
近年、普及が一気に進んでいます。
また、「面」の構造のため、局所的な荷重も
加わりにくく、変形しにくい事も大きな特徴
断熱材もたっぷり入ります
構造用合板の施工においては、
使用する釘の種類、留め付けの間隔も
決められている事や、
階高が高くなる場合のジョイント部分の
補強方法などについても、規定がありますが、
しっかりと理解されずに施工が行われている場合も
少なくありませんので、注意が必要です。
弊社では、構造用合板を外側から固定する方式ではなく、
土台・柱・横架材で囲まれた四角い部分に、
ピタッとはまる「入れ子構造」
『新在来パネル工法』を標準化しています。
この工法により施工の合理化、効率化、高耐震化を実現し、
さらには、熱橋部が圧倒的に少なくなる事により
高断熱化に特化した建築物の設計・施工に力を入れています。

【壁の強さ=壁倍率】

壁倍率とは、耐力壁の性能を数値で表したものです。
壁倍率は、決められた計算方法により性能の確認を行い、
国土交通大臣が定めます。
壁倍率1とは、壁の長さ1mにつき、
200kgf(1.96kN)の耐力がある事を意味します。
壁倍率1.0では、階高×1/120 が水平変形量となります。
壁倍率2.0では、水平変形量は1/2、
壁倍率5.0倍では水平変形量は1/5となるので
揺れにくい作りになることは、イメージしやすいですよね。
また、建物の内部に一般的に使用される石膏ボードも、
耐力壁として計算する事ができ、
壁倍率は0.9と決められています。
他の耐力壁と壁倍率の加算が可能ですが、
壁量計算を行う際に使用する壁倍率の
上限値は
5.0倍となっています。
また、壁倍率が大きくなると
地震時に柱の上下に作用する
「引き抜きの力」が大きくなるため
引き抜きの力への検討が必要で
N値計算により安全性の確認を行います。

次回のブログでは、
『壁倍率とN値計算の関係』について
お話しさせていただきます。

投稿者:

星 隆行

株式会社星工務店代表取締役。1級建築士事務所studio_taka代表。1級建築士。高耐震、高断熱に特化した住まいの設計・施工を手がけています。このブログでは、建築に詳しくない方にもわかりやすく解説、ご説明しております。ご意見、ご質問等がございましたらコメント欄からお気軽にお尋ねください。